ご依頼のきっかけ
奈良県の築16年のご住宅にお住まいの方より、「2階の窓がうまく閉まらない」「犬走りの部分とその前の道路にひび割れが生じている」とのことでご相談をいただきました。
現場を確認したところ、窓枠が窓に対して1cmほどずれていたり、犬走りのコンクリートと家の間に隙間が開いていたりと、気になる問題がいろいろありました。
これらの問題の根幹にあると思われるのが、地盤が悪い可能性があるという点です。
基礎部分にも多数ひび割れがあり、築年数も比較的浅い建物でこれだけの問題が発生しているのは、地盤に原因があると考えざるを得ません。
地盤を変えることはできないので、耐震性を良くするためにも、補強工事を行う必要がありました。
補強工事
パワーアラストで補修

まず、パワーアラストという、コンクリート補修材をひび割れ部分に塗ってきます。
パワーアラストの性能については後で詳しく書きますが、コストは高いですが優秀な補修材なので、使用をおすすめします。
アラミド繊維シートを貼る

写真の黄色い部分がアラミド繊維シートで、これでパワーアラストをコンクリートに浸透させていきます。
塗料を塗る

アラミド繊維シートをはがし、上から塗料を塗って、補強工事は完了です。
コンクリートの経年劣化に関して
そもそも、コンクリートはアルカリ性ということがあまり知られていないかもしれません。
アルカリ性だからこそ内部にある鉄筋が錆びずに済んでいるのですが、時間が経つと性質が変わってしまいます。
空気中の二酸化炭素や炭酸ガスをコンクリートが吸い込んでいくと、中性化してしまい、鉄筋が錆び始め、コンクリートの中から割れてしまう爆裂現象が起きます。
こうなると基礎の耐久性がかなり弱まってしまいます。
パワーアラストについて
上記のような経年劣化に対応するため、基礎補強が必要になってきます。
パワーアラストは塗るだけでコンクリートの9.8倍、さらにアラミド繊維シートを貼りつけると57倍まで耐久性が強化できる優れものです。
したがって、高速道路やトンネルといった、崩壊が許されない建造物にも使用されています。
コストは高いですが、半永久的でかなり頑丈になりますので、おすすめです。
担当者のコメント
この度は弊社にご依頼をいただきまして、ありがとうございました!
今回のご住宅は鉄筋コンクリートのものでしたが、1981年以前に建てられた住宅は、基礎に鉄筋が入っていないため、耐久性が弱いです。
しかし、パワーアラストを使用するだけで、鉄筋コンクリート並の強度までパワーアップしてくれます。
それくらい優れた補修材なのです。
床下は普段チェックされることはないと思うのですが、知らない間に問題が起こっているる可能性があります。
地震が来た時に、床下の基礎部分に問題があれば、大きな被害に遭ってしまうかもしれません。
この記事をきっかけに床下の状況にも気を配ってもらい、もし問題があれば弊社にご相談をいただけますと幸いです。